北海道コンサドーレ札幌の今シーズンを総括してみた

 

J1とJ2を行ったり来たりが常態化していた昨今の北海道コンサドーレ札幌ですが、今年のJリーグにおいて、いい意味でサプライズを起こしました。最終順位がなんと!4位!です。

なぜ万年下位がお決まりであった、北海道コンサドーレ札幌が、今年こんなに急に強くなったのか?その辺を一サッカーファンの私なりに考察していきたいと思います。

 

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ここ数年の状況についておさらい


今年のJ1で4位という成績を残したこのチームがどれだけ凄かったか、どれだけ躍進したのかを紐解くために、まずは今までのコンサドーレの歴史・成績を振り返ってみましょう。

 

 

北海道コンサドーレ札幌

1935年創部の東芝堀川町サッカー部が前身。1996年に同サッカー部が北海道へ移転すると同時に運営会社として株式会社北海道フットボールクラブを設立。同年Jリーグ準会員に承認。1998年よりJリーグ加盟となっています。

あまり古い時代を遡ってもしょうがないので、過去7年間で振り返ってみると・・

○2012年 (J1)18位 勝ち点14 4勝2分28敗 →J2降格

○2013年 (J2)   8位 勝ち点64 20勝4分18敗

○2014年 (J2) 10位 勝ち点59 15勝13分13敗

○2015年 (J2) 10位 勝ち点57 14勝15分13敗

○2016年 (J2)   1位 勝ち点85 25勝10分7敗 →J1昇格

○2017年 (J1) 11位 勝ち点43 12勝7分15敗 →J1残留

○2018年 (J1) 4位 勝ち点55 15勝10分9敗

 

2012年J1において、圧倒的な(悪い方)成績でJ2降格となり、その悪い流れのまま、2013年〜2015年の3期連続でJ2で8位、10位、10位と冴えない成績を残しました。それが2016年にいきなりJ2で優勝、2017年はJ2降格候補ナンバー1と言われていたのですが、シーズン終盤の好成績もあって最終的には11位でシーズンを終え、そして今年2018年の成績となります。

 

各年のトピックスとして

2012年

この年にユースから奈良竜樹、荒野拓馬等の昇格。成績は芳しくなく、J1最下位。9月中の降格決定はJリーグ史上初、7試合を残しての降格決定は史上最速という不名誉な記録を作り、J2落ちとなる。

2013年

元コンサドーレの選手であった野々村社長就任。強化費が前年の5億円から2.5億円に減額となり、契約延長したい選手も移籍させざるを得ず。ベトナム代表のレコンビン加入 前年のJユースカップで優勝したユースから深井一希等昇格。

2014年

小野伸二、都倉賢加入。成績は思わしくなく、シーズン途中に監督交代(財前監督→バルバリッチ監督)あり。

2015年

稲本潤一、クソンヨン、福森晃斗、ユースから進藤亮佑昇格。奈良竜樹FC東京へ移籍。この年もシーズン途中から成績が思わしくなくシーズン途中に四方田監督就任。

2016年

砂川誠引退。ブラジルからヘイス、マセード、ジュリーニョ加入。堅守を武器にウノゼロ(1−0)勝利が多いチームであったが、J2最多記録となる9年ぶり3回目のJ2優勝。

2017年

ジェイ、チャナティップ加入、ユースから菅大輝等昇格。序盤は降格圏をウロウロとしていましたが、四方田監督の手堅いサッカーで見事J1残留を決める。

2018年

ミシャ監督就任。三好康児、駒井善成加入。ミシャの攻撃的なサッカーが徐々に浸透してきて昨年の堅守速攻チームからの脱却が少しずつ進み結果、見事4位フィニッシュ。

各年度のトピックスとしてはこんな感じでしょう。

 

では、なぜ今年度J1で4位と躍進ができたのか?こうして見ると、2012年のJ2降格を機に野々村氏が社長就任、若手の育成、的確な助っ人獲得、そしてミシャ監督がキーポイントとなるでしょう。

 

 

 

社長野々村氏の存在


「売上100億円になるためのロードマップを作っている」とあるインタビューで答えていました。

彼が2013年に社長に就任した時、約10億円規模であったチームを、いまは約3倍の約30億円にしたその手腕。素晴らしいです。さらにこれから今の3倍以上の売り上げを目指しているなんて、Jリーグトップの浦和レッズでも79億円(2017年)なのに、日本の中の一プロビンチャ(地方の小クラブ)であるこのチームにおいて、いったい彼はどんなロードマップを描いているのでしょう。興味があります。

チームを強くするには、なんだかんだでお金が必要です。良い選手、監督、スタッフを獲得するためには、その分金がかかります。社長という立場で確実に収益を増やして、現場を離れたところからチームを強くしている、第一の功労者ではないでしょうか。

 

 

 

若手の育成


もともと若手育成に定評のあるコンサドーレですが、今期のメンバーの中でユースチームから昇格した選手がとても多く存在しております。

Jリーグ最終戦のメンバーを確認して見ましょう。

GK クソンヨン

DF 福森 宮澤 進藤

MF 深井 チャナティップ 早坂 荒野 菅 三好

FW ジェイ

この中で、ユース出身は、進藤、深井、菅、荒野の四名。キャプテンの宮澤は高校卒業後に入団しずっとコンサ一筋。今期この5名はほぼほぼ主力として一年を通して活躍しております。

もう退団してしまいましたが、奈良竜樹や西大伍になんとハーフナーマイクも所属していました。とにかく良い選手を育成する土台があり、今のトップチームにきちんと昇格して戦力となっています。

 

 

 

助っ人の獲得


もともと良質なブラジル人選手を発掘するのがうまかったコンサドーレ。ブラジルに太いパイプでもあるのでしょうか。

過去在籍していた外国人選手を思い返すと、古いところでアルシンド、マラドーナ(あのマラドーナの兄弟)、アシス(ロナウジーニョの兄弟)、エメルソン、ウィル、フッキ(元ブラジル代表)、ダヴィ、ジェイなどなど。その他、ベトナムのレコンビン、タイのチャナティップ、韓国人選手達など。

一時期ダメ外国人もいましたが、ここ数年はきっちりと活躍してくれています。今年のチャナティップはキレキレでしたね。あと、日本人選手としては、今年もその正確なキックで何度もチャンスを作っていた福森、12ゴールをあげた都倉、ミシャを追ってレンタル加入した駒井、キレキレのドリブラー三好など、ここ数年で加入した選手が活躍しましたし、やはり小野伸二選手の存在は大きいでしょう。

もうだいぶ前の話ですが、今はマンチェスターシティの監督をしているグアルディオラ監督は長年プレーしてきた超名門バルセロナを退団してイタリアのプロビンチャ”ブレシア”に移籍しました。ブレシアには天才ロベルトバッジョが在籍してて、彼と一緒にプレーしたいからこのチームを選んだというエピソードがあります。

同じように小野伸二にはそういった選手を惹きつける力があると思います。最近はピッチに出る機会はめっきりと減ってしまいましたが、小野伸二がいるチームってことで、日本人にとっては魅力を感じるはずです。

 

 

 

ミシャ


財前→バルバリッチ→四方田→ミシャ

四方田監督は、2016年のJ2優勝、2017年も堅守を武器にJ1でコンサドーレ過去最高の11位フィニッシュを成し遂げました。普通なら監督続投のところを、野々村社長は、さらなるチームを魅力的に強くさせるべくミシャを招聘。四方田監督はコーチとしてチームに残りました。

2017年までのコンサドーレの攻撃パターンはある程度限られていました。福森の正確なキックからジェイ、都倉のツインタワーで競り勝つ。ある意味昔のイングランドのような古典的な無骨なサッカーでしたが、2018年はもともとある強みは残しつつも、ミシャの目指す可変的なパスサッカーで、三好やチャナティップ、駒井などがパス交換やドリブルから崩していく、そういった新たな攻撃パターンが作られました。

あと、DFの福森や進藤の攻撃参加の機会がかなり多いのも特徴でしょうか。普通3バックのDFが、流れの中からのクロスに最前線でヘディングゴールを決めるなんてなかなかないと思いますし、福森の正確なロングフィードからのロングカウンターのシーンを何度見たことか。

監督が変わるとこんなにもサッカーが変わるものかと本当に思い知らされました。

 

 

 

まとめ


2018年度 J1リーグ 北海道コンサドーレ札幌成績 15勝10分9敗 勝ち点55 48得点 48失点

惜しくもACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場は逃しはしましたが、それども最終戦まで、”勝てば出場決定”という位置まで上り詰めたその今シーズンの躍進は、決して色褪せることはないでしょう。本音を言えば来期、アジアの舞台で赤黒のユニフォームをまとった戦士が、どんな戦いを繰り広げたか・・その雄姿をぜひ見たかった。

ただ、いきなりACLに参加することで、チームに負担が出て、本家のJリーグで結果を出せない→J2降格なんてこともあり得ますから、まだコンサドーレはその土台ができていないでしょうし、この結果はこれで良かったのではないかとも思います。

強いチーム作りは時間がかかります。ポッと出は叩き潰されます。ビッグクラブへの道は、一年一年実績を積み、チームの価値を上げていく。それがいちばんの近道なのではないでしょうか。

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