vol.2若き日のニュージーランド旅行記 「そうだ、家を探そう!」

待ち合わせ場所に現れた男は「アントニオ」と名乗った。

もちろん”猪木”ではない。彼は30代後半のペルー人だ。見た目は、良く言えば「アル・パチーノ」か。甘いマスクの陽気な男であった。

簡単な挨拶を交わし、彼に促され車に乗り、オークランド市郊外へと車を走らせた。

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ニュージーランドに来てから、私はユースホステルを拠点に過ごしていた。

街のど真ん中の便利な立地で、欲しいものや情報はすぐに手に入るし、自炊ができるし、清潔だし。ここはとっても居心地が良い。なんならずっとここで過ごしても良いとさえ思えてくるが、でもそうはいかないのが現実だ。ここで過ごしてると、あっという間にお金が尽きてしまう。

しょうがないから、重い腰を上げ住まいを探すことにした。

私は、中学生レベルの英語力しかないのに、渡航時、人に言われて慌てて成田空港の本屋で持ち運びサイズの和英辞書を購入するくらい計画性のない男。

さて、どう住まいを探すか・・

日本なら不動産屋に行って、アパートを探すのが一般的だが、そもそも、こちらでは一人暮らし用のワンルーム物件なんてないようで、広い家やマンションを何人かでシェアして暮らすのが一般的。

フラット(シェアハウス)探しは、一週間に2回ほど掲載される新聞の2ページほどを占めるシェアハウス情報を見て、良さそうな物件に直電し交渉するという方法が良いとホステルで出会った人に教えてもらう。

早速新聞を購入し、シェアハウス情報をガン見、情報がたくさんあり過ぎてよくわからないので、家賃とエリアだけ確認し、良さそうな物件をピックアップして、さて電話だ。

この電話をかける行為は、結構気合いがいる。

目の前に相手がいるなら何とかなる。時にジェスチャーを交え、なんなら書いたり、辞書を開いて説明できるし、相手もそれなりにわかりやすく伝えようとしてくれるはず。

でも、これが電話だと、話す以外のコミュニケーションテクニックが全く通じない。中学生レベルの私のENGLISHが通用するのか?

なかなかハードルが高いが、まずはやってみよう、何事もチャレンジだ。

ドキドキしながら電話をかけてみた。最初の電話は誰も出ず、なぜかちょっとホッとして受話器を置く(ホッとしてたらダメですね・・)。

次の電話は、気さくな感じの男が出て、英語の感じがネイティブじゃない。言っていることがわかりにくいが話はスムーズに進み、「お前はどこにいる?◯時ピックアップOK?」あれよあれよと話が進み、いきなり今日これから迎えに来てくれると言う。

何かよくわからない部分もあったが、とりあえず約束の時間に待っていたら、現れたのが「アントニオ」だった。

彼は、ラテン系の陽気な男で一方的にずっと話をしてくるタイプ。会話の間を埋めるために気を使う必要がないので、こういうタイプは嫌いじゃない。

車を30分ほど走らせて、全然地理がわからない、私はどこにいるのか?

ウェスタンスプリングスという、でっかい公園を過ぎ、10分ほど走って車が停まる。

彼の家に着いた。

(写真はイメージです)

彼の家は、ごく普通の住宅街に建つ平屋の一軒家。大きくもなく小さくもない。目の前にガソリンスタンドがあり裏にはスーパーマーケットがある。結構郊外だが、生活するには不便はなさそうだ。

彼は、妻と小学生の息子と3人暮らしで、空いた部屋を人に貸しているそう。日本人の受け入れ経験があって、割と親日な感じを受けた。

貸し部屋は、6畳ほどのスペースにベッドと机が備え付けられてて、日当たりはいまいちだが、まずまず綺麗にしている。

キッチンやシャワーは共同使用。家賃は、確か一週間150NZDくらいであったか。相場くらい。特別良いわけではないが、特に気になるところもない。

アントニオはいい人っぽいし、緊張することなく話もしやすい。

家を探す手間を考えたら、もうここで良い。即決でルームシェアさせていただくことにした。軽く共同生活のルールを説明され、一旦ユースホステルに帰宅する。

数日間お世話になったホステルで、荷造りを済ませ、テラスで南半球の星空を眺めながらビールをいただく。ホステルの居心地は良かったが、いつまで経っても旅行気分。住む場所が決まって、いよいよ私の本格的な海外暮らしがスタートするのだ。

<ニュージーランド旅行記>

NZ1「記憶は少しずつ薄れていくけど、思い出はいつまで経っても色褪せない」

NZ2 「そうだ、家を探そう!」

NZ3 「お金が尽きた、海を見て黄昏る」

NZ4 「転んでもただでは起きない男」

NZ5 「異文化交流に疲れる」

NZ6 「料理の腕を上げる」

NZ7 「観光地を徘徊する」

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